─ Alice ?─




「じゃあ…黒兎お兄さん大好きっ!!」


『ありがとう。でも、僕には言わなくてもいいよ。他の住人に言ってあげてね。』



「なんで?お兄さんは、ありすに好きって言われても嬉しくないの…?」



『ありすが僕のことを好きなのは知っているからね。』



「え?どういうこと?」



『僕にとってありすは特別。ならありすにとっても僕は特別、でしょう?』



「うん!!ありす、黒兎お兄さんのこと特別だよ!!」



『いいかいありす、他の住人たちに出会い、会話し、質問をされたら、住人たちの望んでいる答えをあげるんだよ?』



「望んでいる答え?」




『僕のこと好き?って言われたら、好きって答えが正解。



アイシテいる?って言われたら、
アイシテいるよ、って答えが正解。』




何故、このとき気づかなかったのだろう。



「アイシテいる?アイシテいるって何?」

『秘密。他の住人に聞いてごらんよ。』



全て黒兎さんの言いなりになっていたって。



「わかったー。好き好き好き好きあいしてるー♪」



『何の唄だい?』


「んーみんなの唄!!みんな大好きって唄!!」



『じゃあ僕が続きを作っててあげるよ。』



「本当ー!?やったやった!!」



笑顔で駆け回りながら、秋桜と戯れるありすには聞こえなかったのだろう。





『スキ スキ スキ スキ ア イ シ テ ル ♪


殺したいほど ア イ シ テ ル ♪ 』



黒兎さんの唄の続きなんて。
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