─ Alice ?─




どれくらい時間が経っただろうか。


ありすは遊び疲れたのか、うとうとしだしている。


『眠たいのかい?』


「うー…ちょっとだけ眠たいかも。」



目を擦りながら黒兎さんの背中にぴったりくっつく。


「おんぶー。」


『アリスは甘えん坊さんだね。そうだ、良いこと教えてあげようか?』



「うー?」


寝ぼけていて、このときのことは一切覚えていない。



『秋桜はね、アリスのことなんだよ。』



秋桜の花言葉《 純 粋 》



「んー…すう…すう…。」



『純粋な秋桜は知らなかったんだ。世界には悪い子もいるってことを。踏み潰されても気づかない。秋桜は、皆を信じすぎなんだ。そう、君みたいにね。』



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