─ Alice ?─



疑問点はあるが、それ以上聞くのが怖かった。


知らない方が幸せ。私の中の何かがそう告げる。




「そっか。」


それだけ言い、チェシャ猫に笑いかける。

すると、チェシャ猫はぶっきらぼうに顔を逸らすけれど、少し頬を染めて、私の頭を撫でてくれる。



私、チェシャ猫といれればいいの。


だって、こんなに幸せだもの。




この国にいる前とか、この国が出来てどの位とか、なんでチェシャ猫しかいないのとか、疑問点は沢山あるけれど




幸せだもの、それだけでいい。



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