─ Alice ?─
「………………貴様、何を口走ったか分かっているのか?」
無表情な彼の声のトーンは落ちていく。
「裁判はやり直すことになったのよね?ならチャンスは…っ!」
ゾクリ、と悪寒が走る。
目の前の彼は、今にもその尖った爪で私を引き裂くのではないか、と感じさせるほど威圧感を放っていた。
「確かに、裁判は不正なものだと判断された。よって、裁判は正当に開かれる予定だった。ついさっきまではな。」
さっきまでは
その言葉に嫌な汗が伝う。
「裁判は行えない。」
怒りなのか 悲しみなのか
私の中の感情が渦のようにうごめく
「どうして───!!」
「一度決めた裁判を行う日時は変更出来ない。」