─ Alice ?─
一点を見つめるシロウサギさんの顔はどこか寂しそうで。
何故だか私が泣きそうになった。
シロウサギさんを見ていると様々な感情が生じる。
恐怖
不思議
寂しさ
愛しさ
そして、
懐かしさを
感じる。
そんなことを考えているとどこからか真っ白な兎が現れた。
「は!?なんで??
なんで兎…しかも本物…!?」
わからない。
ここは不思議なことが当たり前のように起きてしまう…。
『ハア……アリス。
お別れのお時間です。
またお会いしましょう。
猫の目を盗んで、ね。』
クスリと笑い《 紅 》 は消えた。
ふわりと甘い蜜の薫りを私に残して。