リヴァイサル~記憶の旅~



ガキィン



鉄がぶつかる音がしてキンは顔をあげた。



すると、そこには…



「なにしてんだ、バカっ!」



トロールのこん棒を剣で止めているレッジの姿があった。



生きてる、助かった、そんな安心感からかキンの目から涙が溢れた。



「…れっじぃ………」



「泣いてないで剣を抜けっ!
こいつの心臓を貫くんだっ!」



レッジは真っ赤な顔をして怒鳴る。



「う、うんっ」



キンは涙を拭いて立ち上がると、剣を抜いた。



ブゥ……ン



剣が小さな音を立てて光ったのにキンもレッジも気づかなかった。



ただ、トロールは気づいた。



この少女は危険だ。早く殺さなければ。



「グォーー!!」



「うわっ!」



レッジの剣を弾くと、トロールはキンに向かっていった。



「しまった!」



レッジが体制を立て直したときにはもうトロールはキンとの間合いを詰めていた。
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