リヴァイサル~記憶の旅~
キンはなんのことかさっぱりわからない。
「え〜っと……?」
「あなたの誕生日よ。
16才、おめでとう。」
リーナの言葉にキンは大きな目をさらに大きくした。
「あれ?今日ってスミレの季第1月の30日?」
「えぇ。そうよ。
だから今日は仕事が終わったら自由に遊びに行っていいわよ。」
リーナの言葉にキンは目を輝かせた。
「16才ってことはもう村の外に出ていいんだよねッ?」
スターティンでは成人(16才)を迎えるまでは村の外に出てはいけないことになっている。
好奇心旺盛で活発なキンにとって村の外に出れないことは苦痛であった。
しかし、それは今日で終わり。
キンは成人になり、外に出られるようになったのだ。
「あまり遠くまで行かないようにね。」
リーナは首を縦に振った。