リヴァイサル~記憶の旅~
キンは「えっ」と言って顔をあげリーナを見た。
「綺麗だったってお母さんも行ったことがあるの?」
「あるわよ。
お父さんと一緒に…ね」
そういったリーナの表情が悲しげになる。
「お父さんと…?」
キンは無意識に頭のヘアゴムに触れた。
キンの父はキルシアという名前だ。
キンがまだ小さかった頃、キルシアは急にいなくなった。
始めからいなかったようにキルシアの衣服も小物も毛布もすべてなかった。
残っていたのはキルシアがキンにあげたヘアゴムだけだった。
「あなたが生まれるちょうど一年前にね、見に行ったのよ。
お父さんもあなたみたいに好奇心旺盛で、光る湖を見たいって言って聞かなかったの。」