リヴァイサル~記憶の旅~



リーナは懐かしそうに目を細めた。



「あなたの黒髪は本当にお父さんにそっくりだわ。」



「お父さんも黒髪だったの?」



キンはあまりキルシアとの思い出がなかった。



まだ幼過ぎたからかもしれない。



だから、キルシアのことは朧(おぼろ)げにしか覚えていなかった。



「えぇ。
真っ黒で艶やかで細くて…
お母さんが今までに見たことのある男の人の中で一番の美男子だったわ。」



リーナは悪戯っ子のような笑顔を浮かべた。



「レッジよりも?」



「そうね。
レッジよりもかっこいいわ。」



リーナの言葉にキンは目を輝かせた。



「レッジよりもカッコイイの?
一度、見てみたいなっ!」



キンは声を弾ませていたが、リーナの暗くなった表情を見て、口をつぐんだ。
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