リヴァイサル~記憶の旅~
「……」
リーナはキンに背を向けると黙って部屋から出て行った。
残されたキンは床に座ったまま動けなかった。
リーナのあの表情が頭に焼き付いている。
悲しみ、怒り、戸惑いが混ざった表情。
静かな部屋の空気が重い。
床に散乱した荷物も淋しげに転がっている。
いつもは聞いてて楽しくなる鳥の歌声も、今はさらに悲しみが増すだけだった。
キンの心に今日初めての迷いが生まれた。
旅をやめようか……。
答えはすぐに出そうもなかった。