リヴァイサル~記憶の旅~
「なに言ってるの?
僕は人間だよ?」
真顔で言うリバが可笑しくてまたキンは笑ってしまった。
「そうだよね。
リバは人間だよね。」
確認するように呟いてキンは慣れた手つきで井戸のロープを両手で交互に引っ張る。
カラカラと滑車が音を立てながら水がたっぷり入った桶を引き上げた。
「はい、どーぞ。」
キンはロープから桶を外すとリバに渡した。
「ありがとう。
やっぱり慣れてる人は違うね。」
リバは柔らかく笑いながらキンから桶を受け取った。
そのとき、リバの指が軽くキンの手に触れ、キンの心臓は小さく音を立てた。