サロン・ド・カトレア
へ
ようこそ
「真由子が、あんまり
真山くん真山くん言うからさー。
部活してた姿、思い出しちゃったよ」
私は、まだ胸の奥に残る
甘苦しくて心地よい
きゅうん、を思い出す。
「だからさー
そんなに好きなら
その気持ちを
伝えればいいのに」
「気持ちを…
伝える…」
私は真由子の言葉を
そのまま繰り返した。
「うん!そう!
付き合って、とかそんな高望みじゃなくてさー。
好きだった、って
伝えるのー」
真由子の目は
また、きらきらと
輝きはじめた。
…つか
高望みって私に失礼じゃね?
私は、心の中で
愛すべき無礼な友に
つっこんでみた。
でも
『気持ちを伝える』って
ちょっとステキかも…