サロン・ド・カトレア
へ
ようこそ
「真山くん
急に呼び出しちゃって
ゴメンね」
私は
夕暮れ、他に誰もいない公園で
うつむきながら
恥ずかしそうにつぶやく。
「雛川さん…
いや、千佳ちゃんって
呼んでいいかな?」
「えっ?」
私は驚いて
顔を上げる。
「俺がサッカーしてるのずっと教室から見ててくれただろ?」
「し、知ってたの?」
「うん。
千佳ちゃんが見てくれてる時、張り切ってゴール決めたかったんだけど
俺、下手だからさ」
真山くんも
恥ずかしそうに言った。
「…千佳ちゃん…」
「…真山くん…」