×-カケル-


俺、高野翔(たかのかける)。

一応進学校と呼ばれる高校の1年生だ。

さっきのは新藤梓(しんどうあずさ)。

肩を少し過ぎたナチュラルブラウンの細い髪に、色素の薄い肌。
スラリと伸びた長い手足に、屈託のない笑顔。

誰に聞いたって、きっとみんな綺麗と答えるほど、彼女は容姿端麗だ。


俺と梓は簡単に言うと幼なじみってやつ。

俺たちは同じマンションに住んでいて、俺の家は8階。梓の家は9階。

そして

梓の彼氏でもあり俺の親友でもある、里中由貴(さとなかよしき)の家は10階ってわけだ。


そりゃあ家がこんなにも近所で歳も同じとくれば、仲良くなるのは自然の流れってもん。

何だかんだで3人でいつも一緒にいた。

小学生のときはそれが当たり前で、きっとこの先もずっとずっと3人なんだと思ってた。


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