×-カケル-


朝の通学を無くしたら、翔と話す機会を失ってしまう。

けど、ヨシの手前あまり強く言うことができない。

「気にしなくていいよ?」

「そんなわけにもいかねーし。俺、完全に邪魔者だろ?」

翔は苦笑い。

「まあ、な」

ヨシはそう答えた。


本当は一緒に行きたい。

翔と一緒に。

「3人で行こう」と言いたい気持ちを必死に抑える。

だって

ヨシはあたしが翔を好きなことを知っているのだから、いい気はしないはず。

少しずつ忘れていったほうがいいんだよね。

そしたらまた翔と昔のように笑い合えるようになるんだ。

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