×-カケル-


「翔おはよ」

「おう。早苗おはよ」

ひとり登校が当たり前になった俺に声を掛けたのは、神田早苗(かんださなえ)。
中学からの友達だ。

小柄な身長とそれに合わない胸。

要するに巨乳だ。

片手では有り余るほどのその胸は、水泳の時間は俺たち男の視線を釘付けにする。

それでいて顔も可愛いと評判で、こいつは相当人気がある。


「朝から人の胸見ながらニヤニヤしないでよ」

早苗は眉をしかめて俺に言う。

「バレたか」

いつもついつい目がいってしまう。健全な高校生の俺。

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