茜空


「香澄。
 左手出してみ。」



あたしが左手を差し出すと、
先輩はその手を夕陽にかざした。



「ほらっ!
 でっけー婚約指輪!
 本物はクリスマスに
 買ってやっからな。」



え?





「にっぶいなぁー。
 これプロポーズなんだけど!

 俺はずっと前から
 お前のこと嫁にするって
 決めてたんぜ!」



え?


先輩…?




「一回しか言わねっけな。

 香澄、俺と結婚してくれ」




相変わらず強引だなぁ、先輩。



でも
そんなとこが好きだったっけ。



ううん、

今でも

そしてこれからも

先輩のことが

大好き。




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