茜空
「俺さぁ、部活やってた時、よくこの道自主練で走ってたんさ。
一年ちょい前だったかなぁ。
ランニングしてた時ここ通ったらさ、たまたまお前がそこの浜で友達と遊んでんの見かけたんだよ。
んで、お前、転んで泣いてたちっちゃい男の子をあやしてたんて。
こうやって、いい子いい子ってしてさ…」
先輩は同じように、
あたしの頭をいい子いい子した。
「今日みてーに夕陽が綺麗でさ。
それに照らされたお前もキラキラしててさ…
…優しい子だなって…なんつーか
…一目惚れってヤツ?
ぜってー俺の彼女にするって思ったんさ。
お前、うちの高校の制服着てたっけ、それからは意味もなく校内ウロついたりしてさ。
で、お前見つけて告ったってわけ…。
つか、すっげ恥ずいから!
言わすなって!」
――そうだったんだ…先輩…。
一年の頃から先輩の投球する姿に恋してて、でもずっと手が届かないと思ってて…。
突然告られた時は、
ホントびっくりしたんだよ。