獣~けだもの~
その変貌ぶりに、目を丸くしている弁慶に。
遮那王は、笑った。
「さて、これから忙しくなるぞ。
やる気になっても、味方はわずかだ。
弁慶には、目一杯働いてもらうからな」
「それは、もとより承知」
そう、至極真面目に言った弁慶に、遮那王の笑いが、悪戯をする直前の子供のようになった。
「だから、先々への展望を見据える為にも。
これから、夜具の中で、作戦会議をしょう。
ああ、そこのでかいのは、来なくて良いぞ。
定員は、裸の男女二人までだから………てっ!」
なんとも、あまり懲りて居ないような遮那王の言いぐさに。
弁慶は、無言のまま。
扇で遮那王の頭を叩いた。
「なんとする。
そもそも、一晩付き合う約束はあったはずだ」
「そう言う寝言は、寝て言え。
そもそも、わたしから刀を奪えるほどの腕は無いくせに」
「何、腕を上げたら、我と寝てくれるのか」
大真面目な遮那王の言い草に。
弁慶は、からからと笑って言った。
「ま、本当にわたしを倒すことができたら、な。
考えてやってもいい。
しかし、今のお前の腕前では、きっと。
十年経っても、無駄なような気がするぞ」
遮那王は、笑った。
「さて、これから忙しくなるぞ。
やる気になっても、味方はわずかだ。
弁慶には、目一杯働いてもらうからな」
「それは、もとより承知」
そう、至極真面目に言った弁慶に、遮那王の笑いが、悪戯をする直前の子供のようになった。
「だから、先々への展望を見据える為にも。
これから、夜具の中で、作戦会議をしょう。
ああ、そこのでかいのは、来なくて良いぞ。
定員は、裸の男女二人までだから………てっ!」
なんとも、あまり懲りて居ないような遮那王の言いぐさに。
弁慶は、無言のまま。
扇で遮那王の頭を叩いた。
「なんとする。
そもそも、一晩付き合う約束はあったはずだ」
「そう言う寝言は、寝て言え。
そもそも、わたしから刀を奪えるほどの腕は無いくせに」
「何、腕を上げたら、我と寝てくれるのか」
大真面目な遮那王の言い草に。
弁慶は、からからと笑って言った。
「ま、本当にわたしを倒すことができたら、な。
考えてやってもいい。
しかし、今のお前の腕前では、きっと。
十年経っても、無駄なような気がするぞ」