スタッカート《番外編》


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「なんでいっつもいっつも、あんなふうにからかうの!」
涙目で俺の胸をポカポカ叩いてくる東子に、もうおかしくて笑いしか出ない。

「可愛いからだ。反応が」

「ちょっ…なによそれ!」

そう言って、さらに顔を赤くした東子に、首をかしげる。

「なに照れてんだ?」

「照れてない!」

「そうかよ」
正直に答えただけだってのに、照れたりキレたり訳のわかんねえ奴だ。


だがそんなところもひっくるめて可愛いだなんて思う俺は―もうたぶん、重症だ。

そんな自分に呆れつつ、東子の頭をぐりぐりとなでる。何だというようにこっちを見上げてきた東子の手を引いて、出口へと向かった。

「帰るぞ」

「えっ!?部活は?」

「今日は誰もこねえよ」

「…え?じゃあトキ、なんで部室にいたの?」



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