スタッカート《番外編》
「佐伯、清水。お前ら中学も一緒らしいし仲が良いのはいいが」
「それは誤解です」
「まあ聞け」
深くため息をついた担任が、私と佐伯の方に手をぽんと置く。
「これから一年間、クラスメイトなんだし。仲良く行こうよな?」
ぶすっとした表情の佐伯が、私の顔をねちっこい目で見てくるのを感じて。喉からは
、いやです、と言葉がとび出そうになった。
しかしそんな私を察してから、担任は私の肩に置いた手にぎゅっと力をこめて―
「できるだろ?」
と、半ば脅しのような表情で言ってきた。
大人はずるい、と思った。