生徒会とメガネっ子
「…あ、ごめん。聞いてなかった。」

最初に妄想から脱出したのは健紫だった。

「もう…ちゃんと聞いててください!」

(俺らがこうなってんのは綾ちゃんのせい…なんて言えないか。)

「先輩!聞いてます??」

健紫の目の前には綾の顔があった。

「うわっ!びっくりした…」

「ふふっ。先輩意外と可愛い♪」

綾はいたずらっ子のように笑っている。

ちなみに他の四人はまだ妄想の中だ。

「でもさ、お姫様役やりたいのは分かるけど…具体的にどんなのがいいの?」

「うーん…特にないんです…とにかくお姫様役やってみたいってだけだからなぁ…」

ずいぶんとアバウトな願望だなと健紫は苦笑した。
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