生徒会とメガネっ子
その頃、綾は屋上に着いていた。

屋上へと出るドアを開けると、瞭がフェンスにもたれ掛って寝ていた。

綾はすぐさま瞭の元へ駆け寄ると、瞭を起こしにかかった。

「瞭先輩、起きてください!」

「ん…綾か…来てたのかよ。」

「生徒会に参加してください!」

「…はぁ!?誰がいくかよ。」

「それでも行くんです!」

綾はそういうと瞭の腕をつかんで、引っ張った。

「ほら、行きますよ!」

「あーっ、分かったから!腕引っ張るな!」

綾は瞭の言う通り、腕を引っ張るのをやめた。

「……やめましたよ。ほら!いきますよ!」

「…ちょいタイム。」

瞭はそういうと、綾と自分の位置を入れ替わらせて、綾をフェンスに押さえつけた。

あまりに一瞬の出来事で、綾は声も出せなかった。

< 29 / 144 >

この作品をシェア

pagetop