生徒会とメガネっ子
「瞭先輩、タオルありますけど使います?」

綾は瞭に自分のタオルを差し出した。

「別に俺はこのままでいいよ。」

「ダメです!ずっとぬれたままだとどっかの誰かさんみたいに熱出して倒れちゃいますよ?」

綾はその『どっかの誰かさん』をチラッと見て言った。

「しょうがないじゃないか!綾ちゃんには感謝してるって!!」

梓は少し頬を膨らませて、怒ったような顔をして言った。

「とにかく、使ってください!」

綾はもう一度瞭の方を向くと、タオルを瞭に押し付けた。

「ったく…」

瞭はしぶしぶだが、綾のタオルでぬれている場所を拭いた。

そう言いながらも慧市たちには瞭が少し嬉そうな顔をしているように見えた。








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