生徒会とメガネっ子
帰り道、綾は一人、すっかり薄暗くなった道を歩いていた。

方向音痴の綾だが、学校から洋仁の家までの道は必死で覚えたので、なんとか学校まで戻ることが出来た。

(初めてだったのにな…)

歩いている間ずっと考えていた。しかし、それほど嫌じゃなかったのが自分でも不思議だった。

「ハァ…」

校門の前で大きくため息をついた。

「綾?」

すると、どこからか声がした。
「誰かいるの…?」

校門に向かってそう尋ねる。

「いるよ。」

さっきよりも声が近くから聞こえる。気のせいか聞きなれた声にも聞こえる。

「慧市?いるの?」

「ああ。」
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