生徒会とメガネっ子
「こんにちは…」

そーっとドアを開けた綾は、洋仁がまだいないことを祈った…

だが。

「…」

そこに洋仁の姿はあった。

「う…」

一気に気まずくなった綾はすぐにイスに座った。

(なんか洋仁先輩と関係がありそうだな…)

綾の様子を見ていた慧市はこう思った。

「綾ちゃん?どうしたの?」

いつの間にか梓が顔を覗き込んでいた。

「わぁ!びっ、びっくりしたぁ…」

「綾ちゃんずっとぼぉっとしてるんだもん。」

梓にこう言われた綾はいけないと思い、すぐいつもの笑顔に戻した。

「ごめんね。で、用事はなぁに?」

少し幼稚な言葉遣いで綾は言う。

「いや、何でもないよ。」

梓は目を反らして言った。
< 66 / 144 >

この作品をシェア

pagetop