生徒会とメガネっ子
「先輩、あれ乗りません?」

そう言って綾が指をさしたのは自分でペダルをこいで線路の上を走る、いかにも平和的な乗り物である。

「えー…」

「嫌ですか?」

洋仁より背の低い綾が上目づかいで洋仁を見る。

「う…」

「どうしました?」

まだ見ている。

(これ反則だろ…)

洋仁は理性を失いかけたが、なんとか保って

「いいよ。乗ろう。」

と答えた。

「じゃ、行きましょう♪」

綾は嬉しそうに言って、洋仁と乗り場にむかった。
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