枯れゆく大樹~ミドリの日
「メインタワーに…使える降下船があるはずだ。お前はそれを使って、遺伝子のケースと共に脱出しろ」
立ち上がることもできないのか、コンソールに覆いかぶさる。
「…私はな、ドライバー装着のために強化調整を受けている。そのために生体バランスが崩れてしまって、もう長くない」
実は、ガリエラはそのことを知っている。
学者あがりのソリスティアが高度戦闘ドライバーを装着するのには無理がありすぎるのだ。
「改造を受けたことくらい見当つくさ。なんだよ、老い先短いから置いていけってのかよ」
言いながら、ガリエラは気づいていた。
腹の出血が止まらない。
ソリスティアはもう手の施しようがない状態だ。
「俺は先に行くんだ。パッドで居場所はすぐ分かる。追いついて来いよ」
振り向かず、通路を駆け抜ける。
「さよならだ、ソリスティア…」
ガリエラが地上に出た直後、轟音と共に廃墟が崩れ落ちる。
それでも、ガリエラは振り向かない。
振り向けば、進めなくなるから。
滅びようとしているこの星の命を、自分が送り出さなくてはならないのだ。
立ち上がることもできないのか、コンソールに覆いかぶさる。
「…私はな、ドライバー装着のために強化調整を受けている。そのために生体バランスが崩れてしまって、もう長くない」
実は、ガリエラはそのことを知っている。
学者あがりのソリスティアが高度戦闘ドライバーを装着するのには無理がありすぎるのだ。
「改造を受けたことくらい見当つくさ。なんだよ、老い先短いから置いていけってのかよ」
言いながら、ガリエラは気づいていた。
腹の出血が止まらない。
ソリスティアはもう手の施しようがない状態だ。
「俺は先に行くんだ。パッドで居場所はすぐ分かる。追いついて来いよ」
振り向かず、通路を駆け抜ける。
「さよならだ、ソリスティア…」
ガリエラが地上に出た直後、轟音と共に廃墟が崩れ落ちる。
それでも、ガリエラは振り向かない。
振り向けば、進めなくなるから。
滅びようとしているこの星の命を、自分が送り出さなくてはならないのだ。