狼彼氏×天然彼女










「…そうか……ならまだ探してていいぞ。
見つかったら言いに来い。準備室の鍵閉めなきゃならないしな」




…あ、いいんだ。

案外言い訳って簡単だな。



先生はそう言って
準備室をあとにした。





「っていうか…まだなんか話があるんですか?」


なぜだか敬語になってるし。



「…べつに、ないけど」


ないのかよっ!!

ならさっきの言い訳で
理科の資料見つかったことにしとけばよかったじゃん!!




「じゃあなんで…」


「だって理科の資料の代わりになるものねえし」



……へ?


「先生に
『理科の資料は?』
って聞かれて出すもんなかったらバレるに決まってんだろ」




…あ、そうか!!


「そういうことか!!」



舜は一回溜め息をついてから

「気づけよ」


と言い放った。



あたしはその言葉に

またムカついた。










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