狼彼氏×天然彼女
さっきよりも自分の顔が赤くなるのが分かった。
ギュッと舜の服の袖を握った。
「あたしも…舜と同じ気持ち」
やっと出た言葉は
『好き』という一番伝えたかった言葉ではなくて
遠回しに出た『好き』と似せた言葉だった。
何でこんな時に
伝えなきゃいけない言葉を伝えられないんだろう――…。
あたしって…
意外と不器用なのかも。
「……ちゃんと言葉で聞きたいんだけど」
舜だって
ちゃんと『好き』って言葉で伝えてもらいたいんだ…。
舜だって
あたしに好きって言ってくれたんだもん…
あたしだって言わなきゃだよ…。
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