狼彼氏×天然彼女
「え?!実紅?!泣いてんの?!」
空君が抱き締めようとしたそのときだった―…
ガラ─
舜が教室に入ってきた。
「あッ―…舜」
あたしは空君の手を振り払ってしまった。
なんでだろう…。
なぜだか舜には見てほしくなかったんだ。
「…イチャつくなら教室じゃないところでしろよ」
舜はそう冷たく言い放った。
「実紅と俺がイチャついてても別にいいんだ?」
「俺には関係ねぇし」
舜の言葉を聞いて
あたしは胸の奥がズキッと痛くなった。
関係ないのか…。
結構ショックなもんだな…
「関係ねぇんだ…
じゃあなんでキスしたんだよ」
ドキッ─
いやだ…
聞きたくない……。
聞きたくない―…
「なんとなく」
その言葉を聞いてあたしは
教室しか飛び出していた…。
涙が…
涙が…
止まらなそうだから……。
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