MISS YOU
【幻ー10】


「はい?
どちら様で?」







千里は覚悟を決めて
それに答えた。







「あの…突然のことで
スミマセン。

私、芦田朋樹さんの
同級生ですが、
朋樹さん
いらっしゃいますか…?」







それを聞くと、
母親は不思議な顔をした







「……クラスの人?
連絡
行ってないのかしら…

…上がってちょうだい
久しぶりのお客さんで
朋樹も喜ぶわ…」








「え…?」







急に上がって
いいのだろうか?







今更何しに来たのって
言われてもどうしよう…






それに久しぶりの客って
寝たきりになる程
重病なのだろうか…?








そう思いながらも、
千里は家に上がり、
居間に通される。








「もう何ヶ月も誰も
訪ねてこなかったし
私も嬉しいわ」







あまり
元気のない様子。


そんな様子も見つつ
千里は朋樹を探した。







「あの…朋樹さんは…?」







すると、
母親は仏壇に腰掛け
静かに金を鳴らした。







「…朋樹は一年前に
亡くなってね…

それでも
訪ねてくれるなんて
ありがとうね…」








え…?







それを聞いて
千里はハッとした…






その仏壇に飾ってある
白黒の写真は………









と……朋……樹…?
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