MISS YOU
【幻ー11】


呆然とする千里。







信じたくない………




永遠にキミは逝って
しまったの…?






まるで、
世界中の全てが
真っ白な雪に
埋もれてしまった
かのように、

目の前の全てが
空白になる。






固まった
千里のそんな姿を見ずに
母親は話を続けた。






「ちょうど
アナタ達の高校を
卒業する頃に病気が
発覚したのよ。

だからクラス全員に
連絡が行き届いて
いなかったのね…

あの子は死の宣告を
されたけど、
最後は笑顔で天国に
旅だったわ…」








卒業の頃…?







…!!







それを聞き、
千里は全てを把握した。







朋樹の気持ちの全てを…




あの時の言葉の全てを…








ガタン!!!!







その場で崩れ落ちる
千里。






ビックリして
母親が振り返ると、
千里は声にならない声で
泣き声を上げていた。







「ど、どうしたの…?」







もはや、
朋樹の母親の声も
届かない程に、
千里は悲しみの中にいた。







朋樹……!





朋樹……!!!







あの時の別れの言葉が…


嘘だと……



今…

ようやく分かったよ……!







朋樹……!!!

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