MISS YOU
【秋の木枯らしー7】


悔しい…

この男を
殴ってやりたい…






だけど……
この人は千里を大事に
してくれる人…







自分の命に代えても、
この人を応援して
あげたい…






だから、憎まない…







矛盾してるよ……







悔しいのに、
この人を
応援したいなんて…







俺は……







千里………








気付くと、
千里の彼氏はもう
目の前には居なかった。







ただ、すれ違いさまに
二度と近寄るなと
言われたのを覚えている








バラバラになった
ペンダントを見つめる
朋樹。






砂ぼこりの中から
すくい上げ、
ギュッと握る…






形がボコボコに
変わってしまった
命より大事な
ペンダントを
ずっと眺めている。







千里との
たった一つの思い出…







最後の生きる希望の
千里の思い出…








神様……
アナタはそれさえも
僕から奪って
しまうのですか…







それさえも…







「うっ………う…」






枯れ果てていたはずの
涙がポロポロと
こぼれ落ちる。







千里……!
千里………!!







千里への儚い気持ちが
爆発したように
込み上げる。







真っ赤な落ち葉が舞う
並木道

朋樹は
いつまでも
いつまでも
泣いていた…
< 71 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop