MISS YOU

【秋の木枯らしー９】


千里を寝かしつけ、
神谷はリンゴを
むき始めた。







「それと、
そろそろ下の名前で
呼べよな…
もう付き合って２ヶ月も
経つんだし」







「うん、考えとく」







神谷のむくリンゴを
ジッと見つめながら
千里は答えた。







今まで
付き合ってきた中で
名前を呼んでいたのは
朋樹だけ。







それを知ってる神谷は
少し悔しかった。







「まだ忘れられないか？」







「え？」







「前カレ…
さっき…
街で会ったぞ…
写真で見るより
痩せてたがな」






千里は目を丸くして
神谷を見つめる。






明らかに、
動揺しているのが分かる







しかし、
千里は冷静になると
首を振った。







「…もういいよ
あの人のことは…

私ダマされてたんだもん

今は神谷君が側に
居てくれるからいいよ」







「千里…」







ギュッと抱きしめ
神谷は幸せを感じていた