MISS YOU
【秋の木枯らしー10】


神谷が部屋から帰った後

千里は1人部屋で
横になっていた。








壁に張り付いてる時計が

いやにカチカチと
鳴り響く。







風邪をひいて神経が
研ぎ澄まされている
からか?




それとも考えごとを
しているからか?







全ての音が、
千里の耳にハッキリ
聞こえている。







千里は薄暗い天井を
見ながら
ボーっとしていた。






そんな千里だが、
考えごとと言っても
何も考えていない。






そう…
神谷にあんなこと
言われたからといって、

朋樹のことを
考えているワケではない







いや…
もしかしたら
「考えないように
している」
だけなのかもしれない。







だから、
考えてるようで
何も考えず
天井を一点集中している
のである。






そうすること一時間。





その内、
眠気の波が襲ってきて

千里のまぶたをゆっくり
下ろしていった…
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