MISS YOU
【秋の木枯らしー13】


彼の家に向かうも、
途中の公園で
それは偶然を呼んだ。







「神谷君……」









千里の目の前には
神谷が
下をうつむきながら
歩いていた。






何か考えごとを
するかのように
歩いているので、

こちらに気付いていない






神谷の深刻な目…






その様子から
いつもと違う雰囲気が
感じ取れる。







近くまで来て
やっと千里の存在に
気付くと、
神谷は少し驚いたように
口を開いた。







「千里…?」








「あ…うん…」








心の準備が出来てない
千里は
まず何を話したら
いいのか分からなかった





いきなり
「傷つけてゴメン」
なんてことも言えないし
不可思議な空気が
その場にただよう。







そんな中、
先に口を開いたのは
神谷であった。







「…風邪はいいのか?」







「うん…もう大丈夫」






「そうか……
千里…あのさ…」
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