愛の言葉
出逢い
夜中の2時‥
暗い路地に大きな声が響いた‥。声に気付いた少年は目を凝らしながらあたりを見回した‥。

「ちょっ‥やだあっ」

今にも泣きそうな声‥
声の先からはガシャンッという物が崩れる音‥。
いやこんな冷静に考えてる場合じゃない。助けなきゃ

「やあっ‥」

「おい!何してんだよ!?」

少年は目を疑った。
自分の目の前には数人の体つきのよい男性‥その中心には女性1人。

(おい‥この人数は無理だろ‥つか‥どうしよう)

「なんだよ!邪魔すんな」

「助けて!!」

ドスのきいた低い声でわめきちらす男。必死に助けを呼ぶ女性。

(まじかよ‥)

「あ‥え〜と‥」

少年が立ち尽くしていると女性が苛立ちがこもった声で叫んだ。

「早く助けろよ!!!!」

この女は自分の状況がわかっているのだろうか‥?
男性に囲まれ服装が乱れたところをみるとどう見ても襲われているとしか思えない。しかしその状況下で強気な言葉を発している。
何様のつもりだよこいつ‥

でもここで逃げるのもかっこわりいしな‥もーいいや

「そいつを離せよ‥」

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


「いって〜‥」

「あんた弱すぎ」

「うるせえ‥助けてもらったのに礼もなしかよ」

「しょうがないわね。治療したげるあたしの家においで」

あの後 俺はぼろぼろになるまで殴られ続けた。口からは血がでて身体中痛々しい痣だらけ‥。かっこわりな俺‥。



痛かったけど
でもこの傷のおかげで
俺は君と出逢えたんだ‥。
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