学園天国
美和ももう高校生かぁ……。

最近、ホントに美奈子に似てきた。
だから美和を見るたびに、いつも美奈子を思うんだよな。
やっぱり、親子なんだー……………。




微妙に憂いに浸っていたら、学校に着いた。

ー櫻ノ宮高等学校
通称、桜高。
二百年前に創立された、伝統ある有名進学校。
元は女子校だったけれど、途中から共学になった。
櫻ノ宮、というだけあって学校の周りには咲き誇った桜の木がたくさんある。
校舎は白が基調とされており、十年位前校舎を新しくしたので設備は万全、見た目も綺麗。
だから最近は志望する受験生が大勢いて、毎年受験は戦争の様。
今年は受験生が定員の三倍を上回る人数だった。


例年通り綺麗に咲いた桜を眺めて、学校の門をくぐり駐車場へ。

うちの校庭は他校に比べて広く、職員用の駐車場は一番奥にあるのでかなり距離がある。

駐車場は誰も何も言わないけれど、大体自分の場所が決まっている。
俺は、花壇の真ん前。

この学校の花壇には、用務員さんが育てた色とりどりの花がたくさん咲いている。

美奈子は花が好きだったから、何となくここに停めてしまう。

車から降りると、春の暖かい陽射しが優しく降り注いできた。
やわらかい風が花の香りを運び、鼻孔を甘い香りがくすぐる。















< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop