ギャップ  ~違いの果て~
私のSP
私はやわらかく後ろに倒れた。
ふんわり。
浮くように。

勢いよくフェンスから飛び降りたはずなのに。


「あんた、何してんの?」
甘いハスキーボイス。
振り向くと、同じクラスの林(はやし)クン。
俗に言う、チャラ男。派手な服に染めた髪。
私の一番キライなタイプ。

何されるか分からない。
泥水?生ゴミ?暴行?

ガタガタ震える身を固め、防御体制。

腕が目の前に振り下ろされた。

(はたかれるッ・・・!!)

さわっ・・・




その白くてしなやかな腕は、私の髪を撫でた。
梳かすように。
いや、
溶かすように。




「--林クン・・・?」
ガリ勉だから、勉強は得意。しかも、プレイボーイなお兄ちゃんの
影響で、恋愛にも敏感になっていた。


だから・・


だから・・・・・





だから・・・・・・・・




奪われる事くらい、わかっていたはずなのに・・。



私の髪をかきあげ、メガネを取った。

林クンの、おもむくままに。



あ・・・・
よく見ると、すごいキレイな顔してる。

つやつや。真っ黒で長くで沢山のまつげ。
薄くて、茜色に色づいた唇。
少し、茶色が混じったくりくりの眼。
つるつるの白い肌。
筋の通った小さな鼻。


私が必死でメイクしても、かないそうにない。
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