ギャップ  ~違いの果て~
涙の理由






私のファーストキスを奪った悪魔は、その後天使に変わり、
いじめに苦しむ私を慰めてくれた。


私の涙を拭ってくれた・・。


訳も聴かず、ただ穏やかな笑顔でポンポンと頭を撫でてくれた。


「やさしい・・・ね。」

「・・初めてタメ口。」

クスッと小さく笑った。
その横顔がすごくかっこよくて、急に体温が上がった。
林クンは派手でヤンキーってカンジの男の子。
チャラチャラしてて、近寄りがたい。
でも、実はすごくクールで頼もしい、優しい子・・。

私を慰めてくれる、私を守ってくれる男の子。


まるで、『私のSP』みたいだった・・・。







沈黙が続き、梅雨入り前の冷たい風が2人を包む。




やっと口を開いた。
「林クン、名前何ていうの?」
実は名前、聞いてなかった。

「あ、オレ?・・3年2組、林修夜(はやししゅうや)。」


「・・修夜・・。」

(ドキ・・。)







風のカーテンで目隠し。

やわらかなキスをした。



ギャップだらけの2人は、本気で惚れ込んでいた・・。
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