ギャップ  ~違いの果て~
見たことがなかった。

林クンのあんな冷たい目を、
見たことなんて、なかった。

夜空の色した林クンの眼。
いつも綺麗な優しい眼。

いつも、私を見てくれた眼。


この時が初めてだった。

まるで、あの頃の私のような、
空っぽのひんやりした眼をしてた・・。


2時間目のチャイムが鳴り、一斉に席に着く。
私だけ、地べたに這いつくばったまま。
先生でさえ、私が見えていないかのように、
誰しもが、私を見捨てた。

唯一、信頼していた、林クンにまで、見捨てられた。









冷たい太陽・・。


いままで、優しかった私のSPは、
一番冷たい存在と化していた。



その後、助けがなくなった私は、
どんどんエスカレートするいじめに目を閉じるように
なっていた・・・。







林クン・・・林クン・・・
決して好きなわけじゃない。
恋心を抱いたわけでもない。

ただ、ちょっと助けてくれただけ。

なのに、

こんなにも愛しい・・。




もう一度、私に笑顔を見せてよ・・。






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