ギャップ  ~違いの果て~
中3、初夏。

まだじめじめした空を見上げ、
初めて林クンに会った事を思い出す。

こんなに近くにいるのに。

理由はわからない。

でも、林クンが冷たいのには変わりない。


そう思うと、曇りきった暗い空でさえ、
私の心よりはずっと輝いて見えた。






ある日。神様は私にチャンスをくれた。


「真優!アンタにチャンスをあげる。」

「林っているでしょ?イケメン№1の林修夜!!」
仲間らしき女子生徒が口を挟む。

「アイツとアタシが付き合えるようにして!」



「林クンと佐竹さんをカップルにすれば・・」
震えた声で私は言った。

「あんたをいじめから解放してあげる・・!」

「おまけでクラスの第2女王にしてあげるよ?」



「第2女王・・・解放・・」

私のてんびんが大きく揺れた。


守ってくれた林クン。
優しかった林クン。

林クンと私をいじめ続けてきた佐竹をカップルにすれば、

私はいじめから解放。

私は地位がグンと上がる。




私は・・・・




こっちを選んだ・・。
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