君だけに伝えたい
このとき、廊下から男子の笑い声がした。

あ!!司と同じクラスの子たちだ!
あたしは、腫れた目を隠したのだけれど・・・。

「何、あの子。泣いてる!?」
一人の男子が、あたしの方を見てきた。
「確か、あの子司の彼女じゃない??」
もう一人の男子が口を開く。
「や、バンドメンバーだって!」
男子たちが、口々に言う。

「るさいなぁ・・・。」

あたしは、そっぽを向いた。

するとなんと、

ガラガララ・・・

!!!??

「ちぃーす!!」

はぁ???

なんと廊下で話していた男子たちが、保健室に入ってきた!?

「ちょっ・・・。」

あたしは、腫れた目を隠すのを忘れて、慌てた表情をとった。

「かっわいい~!!」
一人の男が、あたしの方に手を伸ばす。

やっ・・・やめて!!

あたしは声にならない声で叫んだ。
聞こえるはずがないのだから、あたしはその男たちにやられるままだった。

ドンッ!!

あたしは、ベットに押されて防御のとれない格好になった。

「っ・・・。」

どう・・・しよう。

こんなこと、初めてで・・・。



「可愛すぎ。」

男は、あたしを抱きしめた。




あたしは、このとき誰か大切な人を裏切った様な気がした。



パリンッ・・・


「歩・・・。」




あたしは、知らなかったんだ。
これから、先のことを全然考えてもみなかった。









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