君だけに伝えたい
初めの一歩!!
キーンコーンカーンコーン・・・
予鈴が校内中に響きわたる。
「おうい!歩!!」
西階段から勢い良くかけのぼってくるのは、
やっぱり・・・
「司!!」
満開の桜みたいな、まだ、散っていないような
・・・。
司は、そんな笑みを浮かべた。
「歩☆ちょっと来て。」
司の、ウキウキしている表情がなんだか
子どもっぽいんだけど、なんだか・・・
・・・・カッコいい。
「何、見惚れてんだよ(笑)!」
「ちっ・・・、違っ。」
焦りながら、動揺を隠せないあたしは・・・
「すっ、・・・少しだけ・・・。」
「ん!?見惚れた?俺のこと★」
「え・・・とぉ~・・・。」
なんだか、今日は司に勝てない。
「分かりやすいよ。どうした?いつもより、単純すぎる。」
「え?本当?」
「でも、いつもより照れた顔が、可愛い・・・。」
「は!?・・・何、言ってんの?」
急に言われてびっくりしたぁ~。
「ば~か。冗談だよ!冗談☆」
「・・・・・・。・・・あっそ。」
冗談・・・ねぇ。
そんな顔で言われたら、冗談でも、
好きになっちゃうでしょ!?
「俺ら、バンドメンバーとして絆深くなったよな!」
そうだ。
あたしたちは、あくまでも
「バンドメンバー」
分かってる。
それくらい。
でも、
好きなんだよ。
司・・・。