最強少女と最強少年 壱
いきなり航は真剣な顔をした。
「………蓮太のこと」
蓮太?
なんで?
「蓮太がまた柚を探してるって……」
また?
なんで………
『…洋太に言っておこうか』
「あ?あぁ、そうだな。洋太だけ知ってるし」
『……じゃ、呼ぶね』
携帯電話を持っている手がものすごく震えているのが分かる。
そんなあたしを見て
「俺が電話するよ」
『あ…ありがと…』
だめだ。
忘れようとしても忘れられない。
どうしても思い出しちゃうんだよな。