君にまた恋をする。
第一章
◆秘密の果実
きっと、いけない果実を
かじってしまったのかも知れない…
―前嶋美緒―
あたし、今日から高校1年生になります…。
と言っても世に言う"高校デビュー"なんて事は、しませんよ?
ここの高校は地元に近いから知り合いがいっぱいいるんだよね。
「あー、美緒だ!」
桜並木を歩いていると、遠く後ろから名前を呼ばれて振り返る。
親友の麻衣だ。
元々大人っぽい麻衣は、いつもみたいに今日も可愛い。
いいなぁ~美人で……いつも憧れてしまう。