【詩】記憶の持続性
黙示の羊
思い出すのはいつか感じてた温もり
今は死臭漂う土に倒れて
腐乱の道を指差している
 
女神は沈黙の中
虹を創り闇を紡ぎ
微笑む瞳に映る焔は
すべてを無に還していく
 
忘れ去られたあなたの体温
今はもう、死者の冷たさと膨脹する臓腑(はらわた)の
名状しがたき違和感しか感じ取れない
 
神がいるかどうかなど
もうそんなことはどうでもいい
 
暗黒の淵に辿り着けば
神も魔も同じようなものなのだ
 
どちらでもいい
もしそんなものが存在するのなら
あの日の温もりを奪い取らないで
 
あの一瞬だけでも
せめて…
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