【詩】記憶の持続性
終わりのない景色
静かで穏やかな木漏れ日がそっと辺りの空気を緑に染める。
 
鳥たちの囀(さえず)りと獣たちの咆哮が、まだ進化は続くのだと言っているようだ。
 
穏やかな世界。
新しい生命はここからまた、進化する。
生態系を壊すことなくそれぞれの進化の道を歩み、系統樹を創り上げるだろう。 
 
全ての命は鎖となって互いの命を支え合う。
大昔から繰り返されてきた生命のシステム。
 
それがいつから壊されてきたのだろう。
利益のため必要以上に殺し、非情なやり方で面白半分に殺し、何かが壊れていくことにさえ気付かない…。 
 
「共存」という言葉はどこへ行ってしまったのだろう。
 
誰が征服者(マスター)でもない。
 
しかしそんな言葉では及びもつかない「神」たる存在はある。
 
鎖の管理者だ。
 
何をどう間違ったのか、人間はそれが自分たちであると勘違いしてしまった。
そればかりか、彼らは生命のシステムまでも壊してしまった。
 
しかし今この世界には、この生態系を脅かす者などいない。
 
彼らは自らの文明に押し潰されるようにして滅んだ。 
「共存」という生き方を取れなかった、滅ぶべき種だったのだろう。
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