【詩】記憶の持続性
MIRROR
「あなた」は私
「私」はあなた
ふたつでひとつ
ひとつでふたつ
 
いつからそう決められているのかは知らないけれど
誰かが(何かが?)決めたことだから
そうなっているのだろう
 
どちらも本物(本当に?)
けれどどちらも偽物
 
「あなた」にとっての本物は
私にとっては偽物
「私」にとっての本物は
あなたにとっては偽物でしかないのだから
 
どう足掻いてもそれだけは変えようがない
互いを取り込み共有し
同じ命を生きるしかない
 
「あなた」が暴走しそうになるのを私が止めている
「私」が狂い出しそうになるのをあなたが抑えている 
 
一思いに解き放ってやりたいけれど
それには恐怖を覚える
 
「あなた」ではない私
「私」ではないあなた
それを直視できるか分からない
 
だからこうして互いになだめ、抑え合う
 
これはいつまで続くのだろう
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